●突発性難聴は、ある日突然耳が聞こえなくなり、
難聴とともに、耳鳴り(鐘の音・雷の音・海の音)や
音が異常に聞こえて、
著しければ聴力が完全に消失することもあります。
●突発性難聴は、
ストレス、緊張、抑うつ、がピークに達した時、
身体が、強いストレス、緊張に耐えられず
爆発した時に、現れると考えられます。
心の奥底に
不安・心配・悲しみ・怒り・緊張が
潜んでいます。
●漢方に、『肝(かん)は疏泄(そせつ)をつかさどる』
という言葉があります。
肝とは、自律神経(リンク)の働きと深い関係があります。
肝が、自律神経の働きをコントロールし、身体全体の働きを、
調節しているということです。
肝の働きが、ストレスや緊張で乱れると、
自律神経の緊張が高まり、突発性難聴が発症します。
●ストレス、緊張がたまり、肩こり、イライラ、頭痛、目の疲れ、
などが現われ、肝気鬱結(かんきうっけつ)になります。
ストレスを発散し、緊張を解きほぐし
難聴を改善するために、疏肝理気剤を用います。
●長期的なストレス、緊張がピークに達し、爆発し
肝のエネルギーが火(興奮状態)に変化し、
肝火上炎(かんかじょうえん) となります。
強い自律神経の緊張を解きほぐし、気持ちの高ぶりを鎮め
突発性難聴を改善するための漢方薬を用います。
●肝(かん)の自律神経の緊張が続き、
慢性化すると
免疫力が低下し、ホルモンの働きが弱り、
新陳代謝が下がり、
腎(じん)の働きが弱り
肝の働きとともに、腎が弱る
肝腎陰虚(かんじんいんきょ)になります。
自律神経の緊張を解きほぐし、
新陳代謝を活発にし、免疫力を高め
突発性難聴を改善する漢方薬を用います。
●漢方に、『気滞血オ』(きたいけつお)という言葉があります。
緊張で気の流れが滞ると、血の流れも悪くなるという意味です。
自律神経の緊張が続くと身体が固まり
血管が収縮し、血流が悪くなるオ血(おけつ)になります。
血管を広げ、血液を流し、突発性難聴を改善するために
活血化剤を加えて用います。
●身体にいらない水分、体に害をなす水分を
痰飲(たんいん)、痰湿(たんしつ)と言います。
痰飲、痰湿がたまり、耳のリンパ液が増加すると
耳がふさがった感じ、めまい、メニエール、頭重、嘔吐、
難聴、耳鳴りが生じます。
痰飲、痰湿を取り除き、めまい、メニエール、耳鳴り、難聴を
改善する漢方薬を用います。
痰飲、痰湿に熱がたまり、口が苦い、舌苔が黄色く厚い、
痰熱(たんねつ)になります。
痰熱を取り除く漢方薬を用います。